家にやさしい内装材

 昭和38年創業の建材店とリフォーム会社のイタヤです。

 

今の時代に建てられる日本の家の内装には多くの場合ビニールクロスが使われています。

昔の日本家屋は土壁の上から漆喰などの塗り壁を塗る工法で、高温多湿の日本の気候に合った家づくりが行われていました。しかし昭和30年代あたりから高度成長期の大量生産大量消費という時代が始まり、特に人の集まる都市部においては住宅の新築ラッシュとなり、いかに早く家を建てるか、という事に重きを置く時代になりました。そして「手間がかかる=工期が長い」という昔の工法は次第に敬遠されるようになっていきました。(このころに大手主導のハウスメーカーが誕生し日本の住宅産業の方向性を変えたのです)。

 

その大量生産大量消費の時代にできたのがビニールクロス(壁紙)です。安価で加工がしやすく施工が簡単、そして工期が短くすむビニールクロスはたちまち日本の新築現場で大量に使用されるようになりました。当時のビニールクロスや接着剤は粗悪な製品が多くニオイがきつかったり目がチカチカしたり頭痛がしたりと、いわゆるシックハウス症候群が話題になりました。

 

それから内装メーカーも研究を重ね、以前より安全性の高い商品となっているようです。

 しかし、使用しているのはビニール(プラスチック)であることに変わりありません。塩化ビニール樹脂を使った石油製品です。ビニールは呼吸しません。せっかく間取りに気を配り風の通り道などを考え気持ちよく過ごせる住まいにしたとしても、内装がビニールクロスだったら家自体の呼吸ができません。湿気がこもり結露します。結露はカビの原因を作り室内環境を悪くするだけでなく家の寿命を縮める原因にもなります。

 

ビニールクロスを内装に使うというのは、家に雨合羽を着せているのと同じ理屈になります。住まいは第3の皮膚とよばれるくらいその環境は大切です。第1の皮膚は私たちの肌。第2の皮膚は衣服。そして住まいが第3の皮膚というわけです。

自分の肌はケアをしてキレイに保とうとします。衣服に関してはファッションに気を配り着心地や自分に似合うかなどをいつも気にかけて着ていると思います。しかし家の内装、室内の空気に関してはあまり関心がないように感じます。

 

実は、家の中で特に大切なのが「室内の空気質」なのです。人が1日に呼吸して体に取り込む物質のうち83%は空気です。

そのうちの57%が室内の空気。食べ物や飲み物は約15%です。食べ物には無農薬や体にいいものを、水は浄水器を使ったおいしい水やミネラルウォーターを飲んだりして健康に気を使っているのに、一番摂取量の多い空気に関してはあまり気をつけていないのではないでしょうか。

 

空気の質はとても大切です。健康への影響度がとても高いからです。有害物質や化学物質にまみれた空気を吸って生活するより、深呼吸しても気持ちのいい空気の方が健康にも良さそうだと思いませんか。ですからイタヤは室内に使用する内装材にはこだわりたいのです。

ビニールクロスは静電気を発生させるのでホコリや花粉がつきやすいです。年月が経つと換気扇まわりが黒ずんでくるのは、静電気によりホコリを吸い寄せるからです。日本で花粉症の人が増えたのはビニールクロスの家が増えたからという見方もあります。

ちなみにビニールクロスのクロスというのは本来は「布」の意味。本当のクロスは布でできています。ビニールクロスを家の内装に使うのは日本だけ、という話も聞きました。諸外国は布クロスや塗り壁、木などを使っています。内装メーカーにも紙や布クロス、調湿や消臭機能のついたクロスはありますが塗り壁の機能には勝てません。やはり自然素材のものが日本の気候風土には合うのではないかと思います。

 

それともうひとつ。室内には壁や天井、床だけでなく巾木や廻り縁、ドアなどの建具もあります。

今どきの新建材からそれらを選べばその材料にも化学物質は使われていますし普段使っている家具にも使われていますので化学物質を完全にゼロにすることは難しいです。でも塗り壁は有害物質を軽減してくれる効果もあります。

 

世の中には健康効果を謳う内装材がたくさんあります。正直どれを選んだらよいのか判断に困ることもあるでしょう。

調湿機能がある、消臭性が高い、抗菌性、防カビ性、有害物質除去など。

ホルムアルデヒドの放散量を表示したF☆☆☆☆のマークがついた内装材がたくさん出ています。

☆の数が多いほどホルムアルデヒドの発散量が少ない建材となり、最高ランクがF☆☆☆☆になります。

F☆☆☆☆ランクの材料は決められた制限値以内の発散量であるという意味で、ホルムアルデヒドを全く発散しないというわけではありませんが、わずかな発散量であるため使用制限がありません。

イタヤが扱う塗り壁はF☆☆☆☆ランクのものです。

 

環境の面からいえばビニールクロスは張替時に剝がしたものを廃棄するとき、ほとんどリサイクルできず埋立て処分されますのでゴミを増やすことにもつながってしまいます。また熱分解すると害な有機塩素化合物のガスを大量に生成するので、万が一の火災時の危険も指摘されています。

塗り壁は廃棄する時もリサイクルができますし重ね塗りできますから、環境負荷が小さい優れた材料です。

 

メンテナンスの面からみても塗り壁がお勧めです。ビニールクロスは静電気により汚れがつきやすく経年劣化で接着剤が剥がれてきます。一般的に10年程度が張替えの目安といわれています。塗り壁の耐用年数は15年程度といわれていますが、お手入れ次第ではさらに長持ちします。

生活する上でどうしても汚れはつきますが、お手入れは簡単です。普段のお手入れはハタキや柔らかめのホウキでホコリを取ります。表面の汚れは消しゴムやサンドペーパーを使って。傷みやチリ切れがある場合は部分的に補修をするなどの方法があります。

 

初期費用は塗り壁の方が高いですが、これらのことを総合的に考えると高い買い物ではないのではないでしょうか。

 

そして心和む温かみのある風合いはなんともいえない魅力です。味わいがあり落ち着きます。

意識しなくても「なんとなく気持ちいい、心地よい」と感じます。

もちろん均一で統一感のあるきちんとした空間が好きな方、少しの傷でも気になってしまうというような方ならビニールクロスを選んでも良いと思います。ビニールクロスの良さは水拭きができること、デザインの種類が多いこと、施工期間が短くて安くできること。どこに重きを置いて選ぶのかは人それぞれです。

 

イタヤは創業38年の建材店としての一面もあります。そこに買いに来てくださるのは左官さんです。左官さんとお互いに良い仕事をし合って、左官の仕事のすばらしさ、カッコよさを地域の皆様にもっと知っていただきたい。そんな思いで壁材を売っています。

 

そしてそれは本当に良いモノだから。

 

イタヤが選りすぐった自然素材の壁材で心地いい空間を作るリフォームをお届けします。

 

ただし、塗り壁の欠点になりますが、ひびが入る場合があります。ひびは補修して直すことはできますが、

長く生活していくうちに傷や汚れもついてきます。良さもあるし補えない部分もあります。

お手入れしながら暮らし、経年劣化や汚れも長く暮らした証とみるか否か。

塗り壁と共に大らかに味わい深く暮らしてみるのも良いかもしれませんね。

 

自然素材の良さを取り入れた内装リフォームでゆったりと健康に楽しく過ごせたらいいですね。